僕が一日の成り方について感動した場所が三つある。
その中で最も心を躍らせたのがアラスカだった。

この時期のアラスカ、特に北部は日照時間が4時間以下になっていく。
一日のほとんどは黒色で街が染められていた。
当時筋金入りの夜行性だった僕は即座に心を奪われた。

人々が暗闇の中で日常生活を営んでいるというアンリアル感。
街全体で背徳的な行為をしているかのような感覚。
いつもの、が少しだけ現実感を失ってドワンドワンしてる。

強烈だった。


光が届かない場所に土筆が生えてピョコピョコしてる。
目立たない事を良い事にそれぞれが勝手に動き回ってる。
考えてる事なんかわかるもんか。
それが心地良い場所。 僕は秘密のアジトを手に入れた。