夜の土手はワサワーサーと音を立てていた。
もう寒くって、僕は首を縮める。
拾った本を燃やして暖まる。

ずっと遠くには隣町が見える。
白くてオレンジ色の光。
手前には川が、音だけ聞かせている。

空には星。
軽く瞬いている。
空気が悪いのかもしれない。

僕は机の引き出しから持ってきた
サソリの標本を火の中にほうり投げた。
ちょっとイヤな匂いを出した後に煙となっていく。

ミシミシと小さな音を立てている。
このまま宙まで昇っていけ。
彼も星になれるだろうか。

虫の声が沢山聞こえる。
地面は少しグッショリしてる。
そんな中で僕は送り出す。