消え去りたい。
死にたいのではない。 この世から存在を消し去りたい。
観念的な世界に行きたい。

そこは黒い一色の世界で僕は一本の白い線になる。
曲がらない何処までも真っ直ぐな直線。
そして線の太さは一定がいい。

細くなったり太くなったりは人間的だけれども美しくないので嫌である。
いや、美しくないわけではない。 むしろ美しいかもしれない。
だが僕は人間的なラインよりも超然とした一物体としてありたい。

そうして一本の線は黒い世界にアクセントとなり幾何学模様を生成する。
線は一本だけではないかもしれない。 線が交錯していく。
その度に新たな形を作り模様が浮かび上がってくる。

世にある幾何学模様はそうして誕生するのだ。